「待てど、暮らせど、届かない」


到着予定の宅急便が届かなかったので、何かトラブルでもあったのだろうか、と情報を調べてみた。すると相談コーナーのようなところに「待てど暮らせど届かないので・・・」と、いうようなコメントが記入されていた。


「待てど、暮らせど、届かない」


日常生活を淡々と過ごしながらも、心のなかにはいつも「早く届かないだろうか」という気持ちがある。それを噛み締めながら静かに待っている。そんな情景が浮かぶ言葉だな、と思った。

たぶん私たちは「暮らす」という言葉に、一過性ではない連続した時間の流れを感じるのだと思う。それは荒波のような激しいものではないけれど、静かな清流が淡々と流れていくような時間を想像させる。

会議の席で、普段はおとなしくて発言しない人が静かに語る言葉に説得力を感じることがあるように、「待てど、暮らせど」には、思わず口にしてしまった深い思いが込められているような印象を受けるような気がする。



「待てど暮らせど、届きません。進行状況を教えて下さい」


しかし、逆に考えれば「重そう」な印象を受ける場合もあるので、使いどころが難しい一文でもある。取引先から「待てど暮らせど、届きません。進行状況を教えて下さい」などとメールが届いたならば「しまった!」という気分になると思う。何が「しまった!」なのかはよくわからないが、とにかく焦ると思う。

相手が普段穏やかな人ならば、よほど怒らせてしまったのだな、と余計に慌てるだろう。急いで電話をかけて「ああ、まだ大丈夫ですよ。よろしくお願いします」と朗らかに言われたとしても、信じられないと思う。

しかし、ここぞ、という場面では強い印象を与えられそうなので、多用せず静かな雰囲気を装って使用していただきたい。効果は保証しない。

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