飛行機の揺れが苦手な人へ。ここ数年で劇的に進化したAIが守る空の旅
飛行機の「揺れ」対策は、こんなに変わった!?
私は「飛行機が苦手」です。初めて乗ったのは小型のプロペラ機。それが、ふわり、ガタガタ、と揺れたことで「気持ち悪い。飛行機は苦手かもしれない」と感じたことが、そもそものきっかけでした。
それから「しかし、慣れれば多少は得意になるかも」と考えていたのですが、むしろ乗れば乗るほど、苦手意識が強まってきた気がします。最近では、飛行機に乗ると決まった1か月前から「ああ、来月は飛行機に乗るのか……」と憂鬱になり、現地に滞在中も「帰りは飛行機に乗るのか……」と、どことなく憂鬱な気分を抱えるようになってしまいました。これでは何のために飛行機に乗るのかわかりません。本末転倒です。
そこでふと「AIがここ数年で急速に進化したのだから、飛行機のテクノロジーにも反映されているはず」と思い立ち、AIに質問しながら調べてみることにしました。
結果、想像以上に「揺れ(乱気流)」への対応は改善・進化していることがわかりました。今回は、私と同様に「飛行機が苦手」な人に向けて、調べた情報を共有してみたいと思います。
※今回の内容は、あくまでも参考資料としてお読みください。気になった方は、航空会社などの公式情報もご確認いただければと思います。
1.以前と今で、飛行機の「揺れ対策」はどう変わった?
「AIで乱気流対策が進化したと言っても、具体的に何が変わったか?」そう思われるかもしれません。そこで、AIが進化した現在との比較を表にして整理してみました。
| 項目 | 以前 | 現在 |
|---|---|---|
| 乱気流の予測 | 気象情報や従来の予測技術を利用 | AI(深層学習)による乱気流予測を実際の運航に導入 |
| 予測精度 | ― | ANAの日本上空モデルで86%の正答率 |
| AIが学習するデータ | ― | 10年以上にわたる数万件のパイロットによる揺れの報告などを活用 |
| 他の飛行機からの情報 | 情報の取得や共有に時間差があった | 飛行中の航空機が計測した乱気流情報をほぼリアルタイムで共有 |
| 運航への活用 | 気象情報などをもとにパイロットが判断 | AIによる予測、他機からの情報、気象情報などを組み合わせて判断 |
膨大な情報をディープラーニングし、瞬時に分析して、乱気流の発生を予測する。これは、まさにAIの得意分野ですね。ここに、実際に飛んでいる航空機からの情報、気象情報、そしてパイロットの判断が組み合わさることで、乱気流をできるだけ避ける仕組みが進化していることがわかります。
2.ANAではAIが乱気流を予測するシステムを正式導入
特に注目したいのが、ANAが2025年に正式導入したAIによる乱気流予測システムです。ANAは2019年から、AIを使った乱気流予測の研究を進めてきたそうです。
そして実際の運航への導入に向けて、ANAグループ所属の2,500人を超えるパイロットを対象に4年間にわたる評価を実施。さらに、AIには過去10年以上にわたる数万件のパイロットによる揺れの報告情報と、多数の複雑な気象情報などを学習させたそうです。
その結果、日本上空を対象とした予測モデルでは、86%の正答率を実現したとANAは発表しています。【参考】ANA|AI(深層学習)による乱気流予測システム
天候という膨大なデータを、一つひとつ処理し判断するのは現実的ではありません。そこをAIが処理し、実際のデータと評価を組み合わせることで、これまで以上に精度の高い乱気流予測が可能になってきたそうです。これは予想以上の数値でした。
3.前を飛んだ飛行機の「揺れ情報」が後続機に伝わる
ちなみに現在、航空業界では、飛行中の航空機が計測した乱気流のデータを共有する仕組みが整備されています。代表的なのが、国際航空運送協会(IATA)の「Turbulence Aware」です。航空機が飛行中に計測した乱気流の情報を集め、それを参加する航空会社が利用できるようにする仕組みです。
つまり、前を飛んでいる飛行機が揺れを検知する → その情報がシステムに送られる → 後から飛んでくる航空機が、その情報を利用するということが可能になっています。これはいわば高速道路を車で走行中に「この先、渋滞があります」という情報が、前を走行している車から後ろの車へデータが共有されるようなものです。
このようなシステムを活用することで得られた情報をもとに、パイロットや運航側が高度やルートなどを変更する判断材料にすることができるそうです。現在の飛行機は、会社の垣根や国境を越え、世界中の航空会社がリアルタイムに情報を共有しているのですね。【参考】IATA|Turbulence Aware
4.AIが「未来」を予測し、飛行機が「現在」を教えてくれる
つまり現代では、AIによる予測と飛行機によるリアルタイムの情報を組み合わせることが、できるようになった。そこに、サポートするスタッフやパイロットの経験値や判断が加わることで「揺れてから対応する」のではなく「揺れる可能性を事前に把握して、できるだけ避ける」という方向へ、航空技術が進んでいるということがわかりました。
さて、ざっくりと調べた内容をまとめてみました。ここ数年で、私が想像していた以上に進化していることがわかりました。つまり、私が体験した20年以上前の「揺れ」は、現代(とくにここ数年)で大きく改善されていたわけです。極端な話、時間が経てば経つほど「安心感」が増していたはずで、乗れば乗るほど苦手になる、というのは「私の個人的な心の問題」なのではないか? という結論になります。 なぜなら以前よりも「揺れていない」はずなのだから。
いやもちろん、怖いものは怖い、わけです。それは感情ですから仕方がありません。しかし、以前よりは確実に揺れる度合いは激減しているのだから、そこに注目することも大切だなと思ったわけです。
今年も飛行機を利用しましたが、そこでもAIを活用した最新のサポートに支えられながら飛んでいたのだということが、今ではわかります。気がつかずに恩恵を受けていたわけです。そのように考えてみると、確かに揺れる時は揺れるけれど、最近は揺れることが少なくなったような、などと思えてくるのが不思議です(笑)
5.近い未来に、もっと快適な飛行が?
確かにAIが進化したからといって、飛行機の揺れが完全になくなるわけではありません。乱気流は自然現象ですから、完全な予測は不可能でしょう。昨今の天候の変化を見ても、それは簡単に想像できることです。
しかし、 今回は割愛しましたが、ここで紹介した以上に様々な分野から改良が行われ、新しい技術が投入される(らしい)ということもわかりました。そのように考えると、10年後には今以上に快適な空の旅ができるかもしれない。私が元気に旅ができる間に、それらが実用化されることを願いつつ、また飛行機を利用させていただこうと思います。
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