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小布施へ そして帰路 長野への旅(最終回)

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旅3日目の夜 疲労で早々に眠る 枕が変わると眠れない、などというけれど、自分は完全に「それ」である。旅に出たりするとまず眠れない。修学旅行など学校の行事などで宿泊する際に、あっという間に眠ってしまう友人を見ると羨ましくてしかたなかったものだ。大人になれば改善するかと思っていたのだが、多少眠る事はできるようになってきたものの浅く短くなってしまう。同じようなタイプの方は、このつらさをご理解いただけるかと思う。眠る、という行為が「つらい」というのもおかしな話な訳だが、つまりそういうことである。 しかし旅も3日目の夜となると蓄積した疲労もあり、わりにスムーズに眠れるようになる。今回の旅では、3日目に奮発して広い部屋の温泉宿を予約していたのだが、朝早くに起きて移動を繰り返していたこともあり、夜の11時前には睡魔に勝てず眠ってしまった。 せっかく良い宿だったというのに、さっさと眠ってしまったので、なんとなく損をしたような気分になる。貧乏性である(笑)しかし、寝てしまえば部屋が広かろうが狭かろうが全く関係ないわけで、そう考えると旅先の宿は(宿を楽しむという目的で宿泊する以外は)狭い部屋でも全然構わないと思った次第である。もしくは、初日に良い宿に泊まり、日程が進むにつれて安宿にしていくというのも手かもしれない。そのようなどうでもいいことを考えつつ3日目の夜は過ぎた。 旅4日目 晴天なり そして目が覚めると 4日目の朝 。今日は帰宅する日である。やれやれもう最終日か、と思いながら大きな窓から外を眺める。昨日 宿に到着したのが遅い時間だったため、周囲の風景が良くわからなかったのだが、朝起きてみてかなりの山奥だということに気がついた。 どうりでガソリンスタンドを探しても、見つからなかったはずだ。いやガソリンスタンドどころかコンビニすらも見つからなかったのは当然のことだったのだ。「地方に来たならば、ガソリンは給油できる時に給油しておけ」である。コンビニを見つけたら立ち寄っておけ、である。最寄りのガソリンスタンドまでは、ここからどのくらい離れているのだろう。チェックアウトの時にフロントに確認しておこう、と爽やかな景色を前にして、普通のことを考える朝だった。 小布施を散策する。 宿を出て、少し遠回りをして「 小布施 」に立ち...

諏訪大社へ参拝 長野への旅(5)

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信濃國一之宮  諏訪大社へ参拝 上高地からバスに揺られ 沢渡バスターミナル へ到着。この時点で時計の針は午後3時に近づこうとしていた。実はここからもう一カ所「 諏訪大社 」へ参拝したいと考えていた。数年前に長野へやってきた時にも参拝したのだが、その時は時間に限りがあって慌ただしくなってしまったので、もう一度時間に余裕がある時に参拝したいと思っていたからだ。 しかし、ここから諏訪大社まではカーナビの表示で約1時間。もし松本市周辺で渋滞に巻き込まれたらアウトである。が、しかし、こうなったらたとえ数分でも参拝したいと思い、上高地の余韻もそこそこに出発することにしたのだった。 諏訪大社(すわたいしゃ)は、長野県の諏訪湖の周辺に4箇所の境内地をもつ神社です。 信濃國一之宮。神位は正一位。全国各地にある諏訪神社総本社であり、 国内にある最も古い神社の一つとされております。( 諏訪大社ホームページ より) ホームページにもあるように、諏訪大社は由緒正しき歴史のある神社である。なにしろ 「国内にある最も古い神社の一つ」 というわけで、このことを連れに教えたところ「すごい!」と素直に感動していた。「すると、伊勢神宮や出雲大社よりも古いということ?」などとさらに突っ込んだ質問をされるかと身構えていたところ、特に質問はされなかった。 もしも同じようなことが気になった方は、ぜひ調べてみていただきたい。 それにしても、便利な世の中である。わざわざ書物を紐解かずとも、手元のスマホで検索すれば「神社の歴史」のような項目でも、瞬時に詳細な情報が表示される。この調子で行くと、これから10年後はどのような世の中になっているのだろう。おそらく情報検索の世界はとんでもなく進化していることだろう。 しかし実際に現地に立ってみないと、境内の木々の大きさ壮大さ。土の色。柱の気配。周囲に漂う厳かだけど、どこか親しみやすい雰囲気。そのようなものを体感することはできない。これからは「情報収拾を重視」「体感することを重視」の二極化に進んでいくのかもしれない。などと考えながら車を走らせる。 車は順調に進み、沢渡から諏訪大社に到着 そして幸運なことに、ところどころ流れが悪いところはあったものの、おどろくほどスムーズに 諏訪大社の上社へ到着 することができた。もし...

上高地へ 長野への旅(4)

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上高地を歩こう。長野への旅 長野の旅も 3日目 となった。幸い天候にも恵まれ、車の窓を開けて走ると心地よい風が吹き込んできて気分がいい。そして 本日は上高地 へ行く。今回の旅の日程の中で 「最も天候が重要」な一日 である。数日前から天気予報を注意して見ていたのだけれども、上高地のような山岳地域の場合は平地と異なって読めない部分がある。晴天とまではいかなくても、気分よく歩けるような天気に恵まれるといいのだが。そんなことを考えて早朝に出発した。 話が前後するのだが、前日の夜は 千曲市のホテル に宿泊した。部屋自体はビジネスホテルなのだけど、ここの大浴場が天然温泉でとてもよかった。泉質とが泉温が心地よく、長風呂したくなるような温泉だった。もしも時間に余裕があれば2~3回湯船につかりたいところだったのだけど、明日が早出なので1度しか入らなかったのが若干心残りである。時間がある時よりもない時ほど、好みの温泉に巡りあうような気がする。 ホテルのスタッフの方で、一人熱心な方がいて「明日上高地へ行くのですが・・・」と道を確認しようとしたところ「上高地ですか! いいですね!」と爽やかな笑顔でアドバイスをしてもらえたのも好印象だった。やはり何事も熱心さが伝わってくるというのは良いものだ。それだけで満足度はかなり違ってくると思う。また機会があれば立ち寄ってみたい場所でした。 午前7時 上高地へ出発 話を戻そう。本日の出発は午前7時。千曲市から高速に乗って松本市まで向かい、沢渡バスターミナルへ向かう。まだ早い時間の道路は車も少なく快適に走行できた。この調子ならば予定通りに沢渡まで到着できるだろう。いやしかし、昨日の戸隠神社の体験から「直前に渋滞に巻き込まれる」可能性だってある。さあ、どうなる? と思いながら朝霧の道路を走行する。 駐車場に到着したのは9時前後 。すでに駐車場は8割ほど埋まっていた。そうやはり山の朝は早いのだ。これが紅葉のシーズンになったならば大変なことになるだろうな、と思いながら誘導されて隅の方のスペースに駐車する。車を降りる。天気は快晴。いい感じだ。切符を購入して、シャトルバスを待つ列に並ぶ。 上高地 に来るのは数年ぶりになる。何度やってきても「ああ、ようやく来ることができた」という気分になる場所だ。 宮城県からだと長野までも時間がかかるし、そこ...

戸隠神社へ参拝に 長野への旅(3)

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戸隠神社へ参拝する 長野の旅2日目。野沢温泉のおかげで、心なしか肌がつるつるしたような気配がある。多少肌の色つやが良くなったところで、誰に自慢するわけでもないのだが、やはりざらざらよりはつやつやの方がいいので、気分よく出発することにする。 今日は朝一番で 戸隠神社 へ行く。午前中に神社を参拝して、午後からは時間を見ながら周辺を観光しようという計画だ。 戸隠神社 は、 その起こりは遠い神世の昔、「天の岩戸」が飛来し、現在の姿になったといわれる戸隠山を中心に発達し、祭神は、「天の岩戸開きの神事」に功績のあった神々をお祀りしています。( 戸隠神社ホームページ より) という歴史のある神社。以前、参道に続く見事な杉並木の写真を見た時から、一度ここを歩いてみたいと思っていた。参道入口から並木道を通って奥社までは徒歩で片道40分。そこそこ歩かなければいけない。これはなかなか手応えのありそうな参拝になりそうだと思い、朝早くに出発したのだった。 到着は午前9時 駐車場はすでに満車 宿を出たのが7時過ぎ。宿の方の話によると移動時間は「1時間30分くらい」ということだったので、このくらいに出れば駐車場も空いているだろうし余裕をもって参拝できると考えた。朝早い道路は車も少なく、すいすいと気持ちよく走行することができた。周囲に見える山々も風景も美しく、すでに農作業を始めている方達の姿も見える。カーナビが指示した道は、わりと幅が狭く走行しにくいところもあったのだが(最短距離を提示してくれているため、時々とんでもなく細い道を指示されたりする)対向車もないので、さほど気を使わずに目的地周辺にまで近づく事ができた。 さて、今僕が 「近づいた」 という表現をしたことにお気づきだろうか。この時点で時計の針は午前9時を回ろうかというところだった。しかし到着した神社前の駐車所はすでに満車。 すでに渋滞が始まっていた。 参道の前には大勢の人たち。そう、シルバーウィークの混雑は始まりを告げていたのだった。9時では遅かったのである。 急いで駐車所を探すも、周辺にはないと判断。偶然目にした「 シャトルバス 」の文字を頼りに、シャトルバス乗り場へと向かう。駐車場へ車を止めて、ほっと一息。9時30分からシャトルバスが運行するということだったので、それに乗って...

野沢温泉へ 長野への旅(2)

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長野への旅 野沢温泉で「集印帳」めぐり カーナビの予想時間通り、約1時間30分ほどで野沢温泉に到着した。 野沢温泉 にくるのはこれで二回目である。前回は民宿に2泊したのだが、仕事絡みの滞在だったため、ゆっくりすることができなかった。今回はそこそこ時間に余裕もあるし、外湯を巡りながらのんびり過ごそうと考えていた。 ところが、ものごとというものは意外と予定通りにいかないものである。宿にチェックインしたところまでは良かった。ちょっと散歩してみよう、とふらりと外に出たのもよかった。 ところが土産屋にて「 集印帳 」を購入した時から急に忙しくなった。これは文字通り、野沢温泉内にある「集印場」を巡って集めると記念品と交換してくれるというシステムなのだが、何気なく集印帳を購入してから気がついた。そう、記念品は観光協会で交換してもらうのだが、自分たちが購入した段階で 受付時間が残り1時間を切っていた のである。 翌日は、朝早くに出発する予定だった。その時間は観光協会は開いていなかったので、実質本日の閉館までに集めなければいけなかったのである。しかも記念品と交換するには最低「10カ所」分の印を集めなければいけない。さあどうなる。よくはわからないが、ちょっと難しそうだ。いつもの僕ならば、そこそこで諦めていたと思う。まあいいや、程度でやれるところまでやってみて諦めていたと思う。 ところが、最初に向かった神社周辺で、ポコポコと印を連続で入手することができた。どうやらある程度まとまった位置に設置されているらしい。「もしかしたら、まにあうかもしれない」と気がつくと、スイッチが入るものである。 間に合うかどうか挑戦してみようじゃないか、と妙なテンションが加わって、なんだかんだでぐるりと回って終了10分前に「10ヶ所」分集めてしまった。意外とがんばればできるものである。いそいそと記念品(タオルだった)と交換し、観光するというよりは印を集めることが目的になってしまったけれども、まあなんというか、よかったね、という結果になった。 この写真は、集印中に 麻釜 で撮影したもの。夕日が煙に刺していて、温泉地らしい独特の風景が広がっていました。 野沢温泉の外湯を巡ろう この後、夕食を済ませてから外湯を巡った。野沢温泉の外湯は基本的...

絵本と木の実の美術館へ 長野への旅(1)

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シルバーウィークに、長野の旅 今年のシルバーウィークは長野へ行った。 ちなみに今 「シルバーウィーク」 という言葉を使ったのだが、このシルバーウィークはかなり不確定要素が多いらしく、次回のシルバーウィークは 11年後 なのだそうだ。そんなに貴重なものだとは知らず、なんとなく「今回の連休は長いなあ」と気楽に過ごしてしまったのは私だけではあるまい。なにしろ次は11年後なのだ。なにごとも過ぎ去ってしまってから、その有り難さに気がつくものである。 それはともかく。今年のシルバーウィークは車で長野へ行くことにした。宮城から長野へは車で移動すると片道約6時間といったところ。カーナビに入力すると4時間30分くらいと表示される場合もあるのだが、実際には休憩を入れたり流れが悪くなったりすることもあるので、6〜7時間くらいかかってしまう。さらに今回はシルバーウィークということで、ところどころ渋滞が入ることを覚悟していたのだが、幸いにして高速はスムーズに移動できた。ひとまず出だしは好調である。 まずは「絵本と木の実の美術館」 高速を降りてまず 最初に向かったのは「 絵本と木の実の美術館 」である。 あれ?  ここは長野ではなくて新潟では?  と土地勘のある方なら気がついたと思う。そう長野へ向かう途中、たまたま目にした情報が気になって予定を変更して立ち寄ってみたというわけだ。 ここ「鉢」にある、2005年に廃校になった真田小学校が、2009年7月26日、空間絵本美術館として生まれ変わりました。 美術館は丸ごと、絵本作家の田島征三さんが長年思い描いてきた空間絵本です。(ホームページより) 「廃校になった小学校の施設を美術館として活用している」 と聞いただけでも興味をそそられてしまう。多少遠回りになったとしても行くしかない、という場所である。実際に立ちよった 「絵本と木の実の美術館」は、ちょうど夏から秋へと移る気配や、校舎の中を歩くことで自分が小学校に通っていた頃のノスタルジックな気分が蘇り、そこに展示作品のパワフルな子供の思いが流れ込んできて、とても不思議で心地よい時間を過ごすことができた。 建物と敷地全体が「作品」となっていることで、圧倒的な世界観に浸ることができるので、興味がある方はぜひ立ち寄ってみていただきたい。( 絵本と木の実の美術館ホー...

善光寺で「お戒壇巡り」を 秋の長野を巡る旅(7)

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小布施を後にし、向かった先は 善光寺 。長野旅行を計画していた段階では、善光寺に詣でる予定はなかったのだけど「長野に行くなら、善光寺は必須」という知人のアドバイスを参考に、そこまで言うのならと行ってみることにした。が、これは確かに大正解だった。 自分のように、信心深くない人間でも、善光寺の建物が醸し出している迫力や、参拝客が連なって歩いて行く参道の様子を眺めているだけでも、何か感じるものがある。ずっとずっと昔から、多くの人たちがこうやって、この参道を歩いてきたのだろう。長い距離を歩いたり走ったりして、この参道の入口に立った時には、どのようなことを感じたのだろう。 今日の僕のように、車でささっと来ることができる人でさえ、おおっ! と感動するのだから、はるばる何日もかけてやってきた人の心中やいかに、といった感じである。 今回、善光寺に詣でた際に、ぜひ参加したいと考えていたのが「 お戒壇巡り 」だ。これは「極楽の錠前」に触れさせていただくことで、御本尊様と結縁をいただけるという儀式である。 儀式なので、詳しい説明は省くけれど、参加する前と後に、色々と考えさせられることがありました。とても貴重な体験だったので、おすすめです。 ちなみに自分の場合は儀式を終えて外に出た時に 「戻ってこられた・・・」 という気分になりました。すでに、この儀式に参加された方は、きっと共感してくれるのではないかと思います。いや、とにかく参加してよかったです。しみじみ。 参道では門前の 八幡屋磯五郎 で「お約束の七味唐辛子」も入手した。遠くから見ても、一目でわかる&記憶に残るデザインのブリキ缶。かつては 「善光寺参りの手形」 と言われたそうだけど、それもなるほど、といった印象を受ける存在感だ。 アニバーサリー缶ということで、オリジナルの七味缶を作ってもらえるということを知り、かなり気になった。何かのイベントで、オリジナル缶を配りながら「七味は、七つの風味が組み合わさって、豊かな『辛み』を作りだしていくわけですが、辛みといっても、そこには絶妙なハーモニーがあるわけですが・・・」などと、わかったようなわからないようなことを言ってみたいと思ったりもした。まあでも、実際は、自分と七味とは何の縁もゆかりもないし、本当に配ったとしたら「なぜ七味?」という反応が返ってきそうな...

小布施観光。歩く観るそして栗 秋の長野を巡る旅(6)

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長野3日目。 宿で朝食を済ませてから(おいしかった)向かったのは 小布施 。ここは、ことりっぷという旅の本を見て、無性に気になり今回の日程に組み込むことにした。 小布施といえば栗。そして、北斎。その程度の知識と情報のみで、現地へ向かう。昨晩宿泊した渋温泉からは、車で約40分といったところ。普通の地方の道路を淡々と走っていくと、ある区域に入った瞬間に空気が変わるのを感じた。街全体のトーンというか、雰囲気が全然異なっている。「何かありそう」なわくわく感。そうか。ここが小布施なのか。 町営「森の駐車場」に車をとめる。出口で駐車料金を支払って(前金制だった)外に出る。当日の小布施の空は、薄曇りといった感じ。暑くもなければ寒くもない。歩いて観光するには、ちょうどいい気候だ。 ガイドブックにある、おすすめルートを参考に、ぐるりと町の中を歩いてみる。まず最初に感じたのは、街全体がひとつのコンセプトで「しっかりと作り込んである」ということ。ただ「観光に力を入れています」というのではなく「 観光してもらうために、それにふさわしい街並を徹底的に作りこんでいる 」という印象を受けた。 建物の外観はもちろんのこと、道路の幅や通路の角度まで計算しているのでは? と感じてしまうほど(もちろんこれは、僕の個人的な印象だけど)きっちりと世界観を作っていて、それを自然に醸し出しているという、ものすごくコンセプチュアルな町作りをしているのではないかなと感じた。 そんなわけで「ただぶらりと歩いているだけ」でも、なかなか楽しい。あそこも見たい、こちらの方には何があるのだろう? と、町のすみずみまで歩き回ってみたくなる。 ものすごい数の観光客(大型バスが次々と駐車スペースへ入っては出ていく)の流れに乗りながら「 北斎館 」へ。 僕は、旅に出た時は、そこの町にある美術館に入るようにしているのだけど、今回もその流れとして「では、 北斎館 に行ってみるかな」という感じだった。ところが実際に中に入って作品を観てみると、想像以上におもしろかった。特に「屋台展示室」に展示されていた天井画の迫力には、圧倒されてしまった。実際に、この屋台は町の中をねり歩いていたのだろうか? そしてその姿を、当時の方達はどのような気分で眺めていたのだろうか? たぶんきっと、それはすごく豊かな時間だったよ...

渋温泉で九湯巡りに挑戦 秋の長野を巡る旅(5) 【長野県】

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上高地を出て、本日の宿へと向かう。今回選んだのは「 渋温泉 」だ。渋温泉は、長野県の東北の方、野尻湖のやや東に位置する温泉街である。 なぜここを選んだかというと、この渋温泉には 「宿泊客しか利用できない外湯が9つあり」そして「それをすべて巡ると、満願成就」という言い伝えがある という情報を知ったからだ。 こんなに面白そうな温泉があるなら、行くしかない。宿泊客しか利用できないというのもいいじゃないか、と決定したのだった。 温泉宿へは午後の5時くらいについた。すでに、浴衣を着た人たちが、下駄の音を響かせながら温泉街を歩いている。石畳の道に響き渡る下駄の音。自分も早く「あの一員」になりたいと、自然と気分が高まっていく。 宿の部屋は2回の角部屋。温泉街のメインに面していて、お客さんたちが道を歩いている姿を眺めることができる。浴衣にカメラを手にして、何度も立ち止まりながら写真を撮影している人。2階の部屋にまで、会話の内容がはっきりと聞こえるほど大きな声で、ゆっくりと歩いて行く人。母親に手をひかれながら、湯屋に入っていく子供。恋人同士と思われる若い2人組。さまざまな人たちが、下駄の音と一緒に道を歩いていく。 いそいそと浴衣に着替えてから、さっそく 「九湯巡り」の計画 を立てる。一度に9つは、さすがにきつい。夕食の前に3つ。夕食後に3つ。朝一番に3つくらいのペースで巡ろうか、とおおまかな計画を立ててから出発。 ここの九湯巡りには「 巡浴祈願手ぬぐい」 というアイテムがある。その名の通り、外湯の名前が縦に書かれた手ぬぐいで、そこの湯につかった証としてスタンプを押していく仕組みになっている。そして、すべてのスタンプが押された手ぬぐいを持って、最後の仕上げに高台にある高薬師さんに詣でるという流れになっているわけだ。 この手ぬぐいが、九湯巡りの面白さを引き立てていて、もはや湯を楽しむというよりも 「すべてのスタンプを押す」ことが目的 になってしまっているような気がするくらいだ。実際に、風呂に入らずにスタンプだけを押して回っている人や、足先だけにお湯をかけてすぐに外に出てしまう人も、何人か目にした。外湯が利用できるのは、夜の10時まで。そして朝は6時から。人によっては、ひとつの湯を数分で巡らないと間に合わない人もいるだろうから、いきおいそのような巡り方にな...